はるかメンバーズ

終活カウンセラーの古屋 尚美がお話を伺いました。

「はるかメンバーズ」

安達様

今号にご登場いただくのは、安達さん。川口生まれの浦和育ち、来月80歳の誕生日を迎えるそうですが、御歳には見えない若さです。安達さんとはるかとは、かれこれ7年のお付き合いになりますね。

男一人で恥ずかしくて仕方なかった…

奥様を送られたのが、10年前の12月。私が入社する前のことで、まだ、定期的なイベントは行っていませんでした。待つ友サロン(現はるかカフェ)という茶話会を毎月開くようになったのは、その2年後。「女房が亡くなってから誰とも話をしない日があるんだよね」と、たまたま通りかかった安達さんが、はるかスタッフ相手に苦笑い。それを聞いた私は、すぐさま「待つ友サロンにお誘いしよう」と思いたち、スカウト?ナンパ?とにかく、「連れ合いを亡くされた方がお集まりですので、安達さんも気軽にいらしてください」と猛アタックしたところ、次の待つ友サロンに足を運んでくださったのでした。

「古屋さんに誘われて来てみたら女性ばっかりだもの。男一人で恥ずかしくて仕方なかった…」と当時を振り返ります。確かに当時は男性のメンバーズさんが少なかったと言うか、今思えば、安達さんが第一号だったんですね。シャイな安達さんでしたが、以来、はるかのイベントに足繁く通ってくださるようになりました。仕事をしていた頃は、シフトも代わってもらい、何が何でも、はるかが最優先。皆勤賞をあげたいくらいの出席率は今も変わりません。

鹿島から高速バスではるかのつどい場へ

埼玉で生まれ育った安達さんの夢は、田舎暮らしをすることでした。田舎暮らしと言っても、畑仕事や土いじりが望みではなく、海の近くで貝を捕ったり釣りを楽しみながら、のんびり暮らすことが目的。いざ、茨城県鹿島市へ移住、昨年2月のことでした。「住めば都」と言いますが、「住んでも田舎は田舎?!」引っ越す前に運転免許を返納してしまったこともあって、とにかく不便。スーパーまでバスで50分かかります。そして何より寂しい。

こんなに田舎だとは思わなかった…その寂しさを埋めるべく、鹿島から高速バスではるかのつどい場へ通うことにします。片道3時間半の道のり、日帰りは辛いので、南浦和のビジネスホテルに一泊…あっという間にホテルの常連さんです。そして半年経った頃、「田舎暮らしは、もう気が済んだんじゃない?早く埼玉に帰っておいでよ」というメンバーズさん達の声で、またまた引っ越しを決意。

死ぬのは怖くないけど早く見つけて欲しい

メンバーズさん達の行動力で、あっという間に話がまとまり、昨年10月、再びさいたま市民へと返り咲いた安達さん。一年に2回の引っ越しは大変な労力でしたね。でも、二度目の引っ越しを誰よりも喜んでくれたのは、アメリカに住む娘さんでした。かつては、イヤープレートや記念硬貨・切手、駅のスタンプなどを収集するのが趣味でしたが、「お父さんが死んじゃったら誰も貰い手が無いよ」という娘さんの一言であっさり断念。

今は、一人ではジグゾーパズル、仲間とは麻雀を楽しんでいます。「電話一本で集まるメンバー」とは、毎朝、生存確認をしています。「いつ独りでポックリ死んでしまうか分からない。死ぬのは怖くないけど早く見つけて欲しい」と話す安達さん。来月、愛娘と愛孫に会うため、コロラド州へ独り旅の予定です。アメリカの土産話、期待しています…これからも、はるかメンバーズさん達と共に楽しい時を過ごしましょうね。

この記事は、はるかメンバーズにお届けしている『情報誌 はるか 平成30年 陽春号』の内容を再編集して掲載しています。気の置けない仲間が集まる「つどい場はるか」、読者の皆さんもどうぞ気軽に足を運んでください。つどい場はるかについてはこちらのページをご覧ください。

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